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道路・舗装

路面凍結と凍結防止剤

ろめんとうけつととうけつぼうしざい

路面凍結と凍結防止剤とは

路面凍結と凍結防止剤(ろめんとうけつととうけつぼうしざい)とは、積雪寒冷地において冬期の気温低下や降雪・融雪に伴い路面が凍結する現象と、それによる車両のスリップ事故を防止し交通の安全を確保するために散布される化学薬剤および散布管理のこと。路面凍結には圧雪が踏み固められた圧雪路面、凍結融解の繰り返しによる氷板路面、極めて薄い氷膜が形成されるブラックアイスバーンなど多様な形態が存在する。凍結防止剤には主に塩化ナトリウムや塩化カルシウムが用いられ、水溶液の凝固点降下作用を利用して路面上の氷雪を融解・凍結抑制する。道路法に基づく道路管理者の維持管理義務において、冬期道路の交通機能を維持するための不可欠な施策であり、土木施工管理や道路維持実務においては、路面温度・気象条件に応じた適切な薬剤選定、散布タイミング、散布量の適正化、および周辺構造物への塩害対策が重要な管理項目となる。

全国の基準

道路法第42条第1項において、道路管理者は道路を常時良好な状態に保つように維持・修繕し、一般交通に支障を及ぼさないよう努めることが義務付けられており、冬期における路面凍結への対処と安全な通行機能の確保は道路維持管理の根幹業務に位置付けられている。また、かつて路面凍結時の滑り止めとして普及していたスパイクタイヤについて、舗装路面の激しい摩耗と有害粉じんの発生を防止するため、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律第7条により、指定地域内の舗装道路において路面が積雪・凍結状態にない場合のスパイクタイヤ使用が禁止されている。全国の道路管理においては、これら法令に基づき、スパイクタイヤに依存することなく道路交通の安全性を確保するため、道路管理者が主体となった適切な凍結防止剤の散布や除雪体制の維持が定性的な維持管理基準として体系化されている。

教科書どおりにいかないところ

教科書や本州の道路管理では「冬期の路面凍結には塩化ナトリウム等の凍結防止剤を散布すれば氷雪が融解し、安全な舗装路面が回復する」と一般に教わる。しかし積雪寒冷地の北海道では、スパイクタイヤ規制後のスタッドレスタイヤ普及と極低温環境が絡み合い、単純な融氷剤散布ではかえって危険な状況を招くという深い実務の矛盾に直面する。北海道の厳冬期には気温が氷点下大きく低下するため、通常の塩化ナトリウムでは凝固点降下の限界を超えて再凍結を起こし、散布直後に形成された水分が冷やされて一段と滑りやすい平滑な氷膜(ツルツル路面)に変化する危険がある。さらに、スタッドレスタイヤが圧雪面を激しく磨き上げることで交差点や坂道が極度の鏡面化状態となり、薬剤単体では即効性のあるすべり抵抗性を回復できない。また、大量に散布された塩分は舗装クラックを通じて下層へ浸透し、鉄筋コンクリート橋梁の床版劣化や鋼桁の腐食(塩害)を著しく加速させる。このため北海道の実務では、薬剤散布だけでなく砕石・砂などのすべり止め材併用、除雪グレーダーの粗面形成装置による氷板への傷付け加工、および防錆剤入り薬剤の採用など、複合的な冬期路面管理が不可欠となる。

現場での扱い方

  • 気温条件に応じた凍結防止剤とすべり止め材の使い分け

    初冬期や終冬期の気温が-8℃以上の時期や薄い氷膜路面には塩化ナトリウム等の凍結防止剤を散布して凍結を抑制する。一方、厳冬期の-8℃以下となる時期や厚い圧雪・氷板路面では薬剤の効果が低下し再凍結を招くため、最大粒径5mm程度の砂やすべり止め材を散布して路面の物理的摩擦力を確保する。

  • スタッドレス化に対応した交差点重点散布と粗面形成加工

    スタッドレスタイヤの制動・発進によって鏡面化しやすい交差点、急勾配、橋梁部を重点散布箇所に指定し、早朝の通勤時間帯前に的確に散布を実施する。また、除雪グレーダー等に装着した粗面形成装置により除雪後の氷板に傷を付け、タイヤのグリップ力を高めるとともに散布材の路外飛散を防止する。

  • 道路構造物の塩害防止に向けた防錆剤混入と散布量適正化

    凍結防止剤の塩素イオンによる鋼橋の腐食やコンクリート構造物の塩害を抑制するため、防錆剤を混入した薬剤を優先的に採用する。気象予測データや路面温度計を活用して必要最小限の散布量を算出し、過剰散布による路外生態系や農地への塩害被害を未然に防止する。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(専門土木:道路・舗装/施工管理:安全・環境管理)において、冬期道路の維持管理(凍結防止剤散布・すべり止め材)、路面凍結による交通障害、および塩害による構造物劣化対策に関する実務知識が出題される。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 56社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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