アスファルト舗装の温度管理
あすふぁるとほそうのおんどかんり
アスファルト舗装の温度管理とは
アスファルト舗装の温度管理とは、加熱アスファルト混合物の製造・運搬・敷均し・締固めから交通開放に至る各施工段階において、混合物の温度を所定の技術基準値内に保つ施工管理のこと。アスファルト混合物は温度低下に伴い粘性が急激に増大して流動性を失うため、適正な温度域で施工しなければ必要な締固め密度や平坦性が得られない。国土交通省の土木工事共通仕様書(3-2-6-7)では敷均し時の混合物温度を110℃以上、交通開放時の舗装表面温度を50℃以下と規定している。施工管理基準において初転圧前の温度測定(110℃以上、1日4回記録)が義務付けられており、初期わだち掘れの防止と供用後の長期耐久性を確保する上で最も基幹的な品質管理項目である。
全国の基準
国土交通省の土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 第3編土木工事共通編 第2章一般施工 第6節一般舗装工(3-2-6-7アスファルト舗装工)に基づき、加熱アスファルト安定処理混合物を敷均したときの混合物の温度は110℃以上、一層の仕上がり厚さは10cm以下としなければならない。一方、基層及び表層の混合物敷均しにおいては、一層の仕上がり厚は7cm以下と規定されている。締固め作業においては、土木工事施工管理基準及び規格値(案)令和8年3月により、初転圧前の温度測定(JIS Z8710準拠)において規格値110℃以上を満足することが必須とされ、随時測定し1日4回(午前・午後各2回)の測定値記録が規定されている。また同節「6.交通開放時の舗装表面温度」の規定に基づき、交通開放は、初期わだち掘れや空隙つぶれなどの塑性変形を防止するため、舗装表面温度が50℃以下に低下したことを確認した上で行わなければならない。
教科書どおりにいかないところ
教科書や検定試験では「敷均し時・初転圧前の温度を110℃以上に保ち、転圧完了後に表面温度が50℃以下まで冷めるのを待って交通開放すればよい」と教わる。しかし北海道の土木現場では、初冬期や春先、晩秋の寒冷期において「低い外気温と寒風により、敷均した瞬間に合材温度が急速に奪われる」という、温暖地の標準仕様書には現れない重大な施工限界が存在する。本州と同じ作業間隔で施工すると、アスファルトフィニッシャの後方で合材があっという間に固化し、ローラが到達したときには初転圧の限界温度を割り込んで締め固めが効かなくなる。その結果、所定の現場密度が得られず空隙率が過大となり、積雪寒冷地特有の水分進入と凍結融解による早期骨材飛散やわだち掘れ、ひび割れを招いて舗装寿命を著しく縮める。このため北海道の実務では、ダンプ運搬時のシート二重掛けによる保温、合材到着後即座の敷均し、フィニッシャの直後を追従する即時初転圧など、温度低下速度との徹底的な時間短縮競争が不可欠となる。
現場での扱い方
運搬時の完全保温対策(シート二重掛け)と受入れ温度の全車確認
寒冷地では合材プラントから現場までの運搬途中の放熱ロスが品質を大きく左右する。ダンプトラック荷台には保温シートや帆布を二重掛けして冷気の進入を防ぎ、現場到着時には荷下ろし前に棒状温度計で合材内部温度を確認する。表面が冷えて皮を張った合材塊がフィニッシャホッパへ混入しないよう注意を払い、適正温度を保った合材のみを連続的に供給する。
敷均し機と転圧機械の近接追従による110℃以上の即時初転圧
外気温が低い北海道の舗設では、敷均し直後から路盤への熱伝導と寒風による対流放熱で温度降下が極めて速い。北海道開発局の施工管理基準においても初転圧前110℃以上の確保(測定値の記録は1日4回)が規定されている。初転圧機械はフィニッシャのスクリード直後に待機させ、敷均し完了と同時に直近から転圧を開始して温度限界割れを排除する。
舗装表面温度50℃以下の放射温度計確認と散水冷却の併用管理
早期交通開放が求められる維持修繕工事等では、共通仕様書に規定された舗装表面温度50℃以下への降下確認を怠ると、重交通によるわだち掘れや骨材剥離を招く。赤外線放射温度計により施工面全体の冷却状況を面的に把握し、夏期や早期開放が必要な場合は清流水による均一な散水冷却工法を適用して、50℃以下への確実な低下を確認してから規制解除を行う。
資格試験での出題
2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(専門土木・道路舗装、品質管理)において、加熱アスファルト混合物の敷均し温度(110℃以上)、初転圧時の管理温度、交通開放温度(50℃以下)、一層の仕上がり厚さ(安定処理10cm以下、基層・表層7cm以下)、および温度測定頻度(1日4回)に関する基準が頻出問題として出題される。
参考(一次情報)
- 国土交通省 土木工事共通仕様書(案)令和8年3月 第3編 土木工事共通編 第2章 一般施工 第6節 一般舗装工 3-2-6-7 アスファルト舗装工 ↗出所:国土交通省/確認日:2026-09-29
- 国土交通省 土木工事施工管理基準及び規格値(案)令和8年3月 第2編 品質管理基準及び規格値(案) 表3-2-6-7 アスファルト舗装工(温度測定) ↗出所:国土交通省/確認日:2026-09-29
- 北海道開発局 道路・河川工事仕様書 施工管理基準(品質管理) 令和5年5月版 第2編 施工管理基準及び規格値 第2章 品質管理基準 8.アスファルト舗装の品質管理(温度測定) ↗出所:北海道開発局/確認日:2026-09-29
関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 148社
出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。
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