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鉄道・地下構造物

雪害対策(防雪柵・スノーシェッド)

せつがいたいさく(ぼうせつさく・すのーしぇっど)

雪害対策(防雪柵・スノーシェッド)とは

雪害対策(Snow Damage Countermeasures)とは、積雪寒冷地域において降雪・積雪・吹雪・雪崩などによる交通寸断やインフラ被害を未然に防止・軽減するために講じられる工学的措置の総称。主な構造物対策として防雪柵やスノーシェッド(覆道)が設置される。防雪柵(Snow Fence)は風雪の流れを制御して道路や鉄道線路への雪の堆積(吹きだまり)や吹雪による視程障害を防ぐ施設であり、風上側に雪を捕捉する吹きだめ式、風下路面の雪を風力で吹き飛ばす吹き払い式、風速を減速させて道路上への進入を抑える吹き止め式などに分類される。スノーシェッド(Snow Shed)は雪崩危険箇所において道路や線路の上部を強固な屋根構造物で覆い、雪崩を道路上空越しに谷側へ流下させて直撃を防ぐ防災構造物である。冬期の安全円滑な交通確保と孤立防止を支える基幹的な雪氷工学施設として位置付けられる。

全国の基準

全国の雪害対策および冬期道路交通の確保に関しては、「積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法」(昭和31年法律第72号、通称:雪寒法)第1条において、積雪寒冷の度が特にはなはだしい地域における道路の交通を確保するため、除雪、防雪及び凍雪害の防止について特別の措置を講じることが定められている。同法第5条に基づき策定される道路交通確保五箇年計画において、防雪に関する事項や凍雪害防止に関する事項が基本方針として位置付けられている。国土交通省の土木工事共通仕様書においては、冬期対策施設工や道路修繕における落石雪害防護工(防雪柵工・雪崩予防柵工等)およびコンクリートシェッド工(RCシェッド工等)として施工基準が規定されており、防雪柵の基礎設置や支柱・防雪板の建込み、シェッド躯体のコンクリート施工における品質・安全管理基準が定められている。

教科書どおりにいかないところ

教科書や土木施工管理の試験では「防雪柵は卓越風向に合わせて吹き払い式や吹きだめ式を定位置に設置し、スノーシェッドは雪崩斜面を覆って通行空間を遮断防護すれば安全な冬期交通が確保できる」と教わる。しかし、猛烈な地吹雪とホワイトアウトが頻発する北海道の現場実務では、単一風向を前提とした教科書通りの防雪柵設計が通用しないという深刻なパラドックスが存在する。北海道特有の暴風雪では風向が激しく旋回する斜行風が発生し、従来の吹き払い式柵では増速流の向きが狂ってかえって路面に急激な吹きだまりを形成したり、吹きだめ柵が短期間で満杯(飽和)となり雪崩状に路面へ雪が崩落する事態が起こる。また、山岳部のスノーシェッド(覆道)では、覆道内部は安全である反面、坑口出入口で猛烈な地吹雪と吹きだまりが集中し、急激な明暗差とアイスバーンが重なって重大な視程障害・スリップ事故を招く「坑口部トラップ」が生じる。寒地土木研究所の研究成果を踏まえ、北海道では下部間隙を無くし多層透過制御を施した吹き止め式防雪柵の採用や、スノーシェッド坑口部への防雪柵・視線誘導標の重点併設、夏期の防雪板取り外し・起倒式柵の運用など、静的な構造物設置を超えた動的な維持管理連携が不可欠となっている。

現場での扱い方

  • 吹き止め式防雪柵の多層透過制御と受風圧低減の施工管理

    北海道の吹雪対策では、寒地土木研究所が開発した高機能防雪柵に代表される吹き止め式が主流となる。下部無孔板・中央有孔板・上部メッシュパネルの組み合わせにより受風圧を低減しつつ道路上の風速低下と視程改善を図るため、各パネルの取付順序、ボルト締付けトルク、および盛土斜面での見かけ柵高の確保を厳格に管理する。

  • スノーシェッド坑口部の吹きだまり対策と視線誘導施設の併設

    スノーシェッドの出入口付近は吹きだまりや凍結が最も集中しやすい弱点箇所となる。坑口アプローチ区間には防雪柵や視線誘導標(スノーポール・矢羽根)、防雪林などを連続的に配置し、ドライバーが覆道へ出入りする際の急激な視界悪化や横風による車両挙動の乱れを防止する。

  • 起倒式防雪柵の季節点検と降雪前の防雪板展張・基礎防錆

    農地境界や市街地周辺に設置される可動式・起倒式防雪柵では、夏期の農業活動や視界確保のために倒伏・撤去されていた防雪板を、根雪初雪前の10〜11月に確実に点検・展張する。支柱基部のヒンジ部やボルトの凍結固着、塩カル(凍結防止剤)による腐食状況を早期に点検し、冬期本番前の完全作動体制を整える。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(専門土木:道路・鉄道・地下構造物)において、防雪柵の形式(吹きだめ式、吹き払い式、吹き止め式)の特徴と機能、スノーシェッドの構造形式、冬期道路防災施設の役割に関する出題がある。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 144社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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