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上下水道

管の埋設深さと凍結深度

かんのまいせつふかさととうけつしんど

管の埋設深さと凍結深度とは

管の埋設深さと凍結深度とは、水道管や下水道管などの地下埋設配管を敷設する際に、地表面から管頂(管の上端)までの深さ(土被り)と、冬季の寒冷な気候によって地盤中の水分が凍結する最大深度との関係を示す設計・施工基準のこと。上下水道施設において、配管内の流体の凍結による閉塞や凍破(管の破裂)事故を防止し、さらに路面交通による車両荷重や道路構造への影響を避けて安全な送配水および排水機能を維持するために極めて重要な概念である。一般に温暖地では道路構造令や道路法等に基づく道路保全用の土被りが主たる規定要因となるが、積雪寒冷地では地盤凍結に伴う管体破損や凍上(アイスレンズの成長による地盤隆起と管変形)を防ぐため、各自治体が定める標準凍結深度よりさらに深い位置に管頂を位置させる凍結対策深さが最優先の支配条件となる。

全国の基準

道路法に基づく道路法施行令第11条の3第1項第2号ロにより、道路の地下に設ける水管(水道管等)の本線は、車両荷重等の影響を避けるため原則として頂部と路面との距離(土被り)が一・二メートル(1.2m、工事実施上やむを得ない場合にあっては〇・六メートル[0.6m])を超えていることと定められている。同令第11条の4第1項に基づき、下水道管の本線を地下に設ける場合においては、その頂部と路面との距離が三メートル(3m、工事実施上やむを得ない場合にあっては一メートル[1m])を超えていることと定められている。また、水道法に基づく給水装置の構造及び材質の基準に関する省令第6条において、凍結のおそれのある場所に設置される弁類等の給水装置は、耐寒性能試験により零下20度プラスマイナス2度(-20℃±2℃)の温度で1時間保持した後に通水して異常を生じないこと、または断熱材被覆等による適切な凍結防止措置を講ずることが義務付けられている。

教科書どおりにいかないところ

教科書や本州の試験対策では「道路法施行令に定められた土被り基準(車道1.2m、歩道0.6m程度)を満たせば管路の安全は確保される」と教わるが、北海道をはじめとする積雪寒冷地では、厳しい冬期の冷え込みによって地中深くまで地盤が凍結するため、車両荷重以上に「冬期の地盤凍結深さ(凍結深度)」が管の埋設深さを決定づけるという決定的な実務のズレが存在する。道路除雪によって積雪の保温効果が失われると地中深く急速に凍結が進行し、全国標準の感覚で浅層埋設を行うと、管内の水が凍結して体積膨張により管体を破裂させるだけでなく、凍上現象によって配管が局所的に押し上げられ、継手の抜け出しやクラックを招いて春先の融解期に大規模漏水を引き起こす。そのため北海道の現場では、宅地内であっても全国一般的な浅埋設は認められず、旭川市水道局の基準に見られるように宅地内でも1.0m以上(積雪の期待できない箇所では1.2m以上)、公道部(歩道含む)では1.4m以上の土被りを確保し、さらに水抜栓の排水口を凍結深度以下に配置するなど、本州の計算式には現れない凍結線との空間関係を厳格に管理しなければならない。

現場での扱い方

  • 凍結深度に応じた管頂土被りの確保と除雪動線下の割増し埋設

    積雪寒冷地の配管施工では、管底ではなく「管頂から地表面までの土被り」が自治体の指定する凍結深度を確実に下回る深さを確保する(旭川市水道局基準では公道部1.4m以上、宅地内1.0m以上)。特に冬期に除雪が行われる車路や玄関アプローチ下は、積雪による断熱効果が期待できず凍結線がより深部まで到達するため、埋設深さを1.2m以上に割り増すか、管上部にスタイロフォーム等の押出法ポリスチレンフォーム断熱材を敷設して地中への冷気進入を遮断する。

  • 水抜栓排水口の凍結深度以深配置と敷きブロック・解氷パイプ設置

    寒冷地用給水装置の基幹である不凍給水栓(水抜栓)は、水抜き時に立ち上がり管内の水を地中に排出する構造を持つため、排水口の位置が凍結深度より浅いと排出水が地中で凍結し、逃げ場を失った水が配管内に滞留して全体が凍破する。水抜栓は0.3m×0.3m×0.06mの敷きブロック上に堅固に据え付け、排水弁周囲はφ40mm級の切込砂利(砕石)に置き換えて埋め戻すことで土壌への浸透性を高める。また建物床下の立ち上がり部には解氷パイプを凍結深度(200mm以上)以下まで設置し、万一の凍結に備える。

  • 冬期埋戻し時の雪・凍結土混入防止と管上人力転圧の徹底

    寒冷地における管路掘削・埋戻し工事では、埋戻し土砂への雪や凍結土塊の混入を厳禁とする。埋戻し土に混入した雪や氷が春先に融解すると、局所的な大規模空洞や不等沈下が発生し、埋設管に過大な曲げ応力が加わって破断の原因となる。管上30cmまでは凍結していない良質な山砂等を用いて人力で慎重に埋戻しと突固めを行い、管路を保護した上で、路盤工及び凍上抑制層は一層あたり20cm以下の厚さで機械転圧を実施して確実に締め固める。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(専門土木・上下水道、共通工学・法規)において、道路占用許可における管路の埋設深さ基準(水管本線1.2m以上等)、給水装置の耐寒・凍結防止基準、寒冷地における配管布設・凍結深度の考慮事項が出題される。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 205社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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