締固め
しめかため
締固めとは
締固め(転圧)とは、盛土材料や路盤材、アスファルト混合物などにローラーやタンパなどの締固め機械で外力を加え、材料内部の空気間隙を減少させて密度を高める作業のこと。土粒子同士の接触を密にすることでせん断強度を増大させ、透水性を低下させるとともに、完成後の圧縮沈下や雨水浸透による軟弱化・崩壊を防ぐ目的で行われる。締固めの効果は土の含水比に強く依存し、含水比が低すぎても高すぎても十分な密度は得られず、突固め試験によって求められる最適含水比付近で締固めることで最大の乾燥密度が得られる。盛土工においては、土を一定の厚さに敷き均したうえで一層ごとに規定のエネルギーを与えて締め固めることが、構造物の支持力確保と長期安定における基本手順となる。
全国の基準
法令上の基準として、宅地造成及び特定盛土等規制法施行令第7条第1項第1号イにおいて、盛土を行う際は「おおむね三十センチメートル以下の厚さの層に分けて土を盛り、かつ、その層の土を盛るごとに、これをローラーその他これに類する建設機械を用いて締め固めること」と規定されている。2級土木施工管理技士試験では、この盛土の一層の敷均し厚さや締固め管理の方式が重要事項として問われる。管理方式には、所定の締固め度や空気間隙率を試験により確認する「品質規定方式」と、使用する締固め機械の機種やまき出し厚さ、転圧回数を指定して施工する「工法規定方式」がある。また、高含水比の土を過剰に転圧するとせん断強度が低下する過転圧(練返し)が生じるため、最適含水比付近での管理が基本原則とされる。
教科書どおりにいかないところ
教科書では「突固め試験で最適含水比と最大乾燥密度を求め、締固め度(現場乾燥密度/最大乾燥密度)で品質管理を行う」と教わる。しかし北海道の実務では、この教科書通りの管理が成り立たない土質が広範に存在する。道内に広く分布する火山灰土(未風化火山灰や火山灰質粘性土)は、自然含水比が極めて高いか粒子が破砕しやすく、試験を行っても明瞭なピークを持つ締固め曲線が得られない。そのため、乾燥密度を基準とした締固め度による判定が物理的に不可能となり、空気間隙率や飽和度、コーン指数による管理、あるいは試験施工で定めた工法規定(敷均し厚さと転圧回数)への変更を迫られる。さらに現場を悩ませるのが過転圧の罠である。高含水比の火山灰土は、締め固めようとして重機で転圧を重ねると、土粒子構造が破壊されて間隙水圧が急上昇し、締まるどころか急激に泥濘化(ポンピング)を起こして重機自体が沈下する。教科書通りに「転圧回数を増やして密度を上げる」行為が、現場では地盤破壊を招く。加えて、積雪寒冷地特有の制約として凍結土の巻き込み厳禁がある。凍結した土塊を盛土内に混入して締め固めると、翌春の融解時に大きな不同沈下を引き起こす。「転圧すれば締まる」「試験室の数値通りに管理できる」という教科書の前提が、特殊土と寒冷気候によって覆るのが北海道の現場である。
現場での扱い方
火山灰土は締めすぎると泥濘化する
高含水の火山灰土を規定回数以上転圧すると、粒子構造が崩壊して間隙水圧が上がり、急激に泥濘化(ポンピング)を起こす。現場では過転圧を避け、事前の試験施工で決めた必要最小限の転圧回数で速やかに仕上げることが不可欠となる。
凍結土の盛土混入は絶対に避ける
寒冷期に表層の凍結した土塊を盛土層に巻き込んで締め固めると、春先の融雪期に土が融解して大規模な融解沈下を引き起こす。冬期土工では凍結土を完全に排土・除去してから敷均しと転圧を行わなければならない。
締固め曲線が出ない場合は工法規定で管理する
ピークのない平坦な締固め曲線となる特殊土では、現場密度による合否判定ができない。現場では発注者と協議のうえ、事前の試験施工によって敷均し厚さと転圧回数を定めた工法規定方式や、コーン指数によるトラフィカビリティ管理へ切り替える。
資格試験での出題
2級土木施工管理技士2級土木施工管理技士試験では盛土の敷均し厚さや締固め管理方式(品質規定方式・工法規定方式)、含水比と過転圧の関係が頻出。
参考(一次情報)
- 宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第7条第1項第1号イ(地盤について講ずる措置に関する技術的基準) ↗出所:e-Gov法令検索/確認日:2026-09-17
関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 148社
出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。
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