Tsukuras
安全管理

除雪作業の安全

じょせつさぎょうのあんぜん

除雪作業の安全とは

除雪作業の安全(Snow Removal Safety)とは、冬季の道路や公共施設、工事現場等において積雪や路面凍結を除去・排除する除雪作業中に発生する労働災害および第三者交通事故を未然に防止するための安全衛生管理活動の総称のこと。除雪トラック、除雪ドーザ、除雪グレーダ、ロータリ除雪車などの大型車両系建設機械や小型除雪機を用いる作業では、回転刃(オーガ等)への巻き込み、作業機械の転倒・転落、誘導員や歩行者・一般車両との接触・追突事故、雪堤や屋根からの落雪・埋没事故などが重大な危険源となる。安全な作業運行経路の事前策定、誘導員や監視員の適正配置と統一合図の徹底、機械作業範囲への立入禁止措置、作業前の機械点検、深夜・早朝の視界不良時における照明や保安警備設備の整備など、人命と公衆の安全を確保するための重層的な管理体制が求められる。

全国の基準

労働安全衛生規則第2編第2章第1節「車両系建設機械」の規定に基づき、除雪等に用いる機械作業においては、あらかじめ調査結果に適応する作業計画(運行経路・作業方法等)を定めて作業を行わせなければならない(第155条)。また、運行経路の路肩崩壊防止や必要幅員の保持等の措置を講じるとともに、路肩・傾斜地等で転倒・転落のおそれがある場合は誘導者を配置して誘導させなければならない(第157条)。さらに、運転中の車両系建設機械に接触することにより危険が生ずるおそれのある箇所への立ち入りを禁止し、誘導者を置くときは一定の合図を定めて誘導させ、運転者は合図に従うことが義務付けられている(第158条、第159条)。国土交通省の土木工事共通仕様書(案)第3編第2章第10節「仮設工」3-2-10-20(除雪工)では、除雪にあたり路面及び構造物、計画地盤に損傷を与えないよう施工すること、万一損傷を与えた場合には受注者の責任において復旧することが定められている。

教科書どおりにいかないところ

施工管理技術検定や標準的な安全管理の講習では「あらかじめ運行経路を定め、誘導員を適切に配置して作業範囲内への立入禁止と合図の徹底を図れば、建設機械による接触・転落事故は防げる」と教わる。しかし、北海道の現場における道路除雪実務では、猛吹雪(ホワイトアウト)や深夜・早朝の暗闇、氷点下での路面極度凍結という過酷な自然条件下で一般交通が混在する道路上を低速運行せねばならず、教科書通りの誘導員配置や目視確認だけでは安全を担保できないという決定的な現場のパラドックスが存在する。吹雪時には視界がゼロに近くなり、除雪車自身が巻き上げる雪煙によって後続車から完全に死角化するため、後続の一般車両によるスリップ追突事故や、雪に隠れた路肩側溝・縁石・マンホール等への接触による除雪車の横転事故が頻発する。北海道開発局では1,000台以上の除雪機械を保有・稼働させているが、追突緩衝装置や黄色回転灯、テールランプ熱線カバー、ミリ波レーダによる車両検知・人感センサー等の先端安全装備を施すとともに、道内建設業の通年雇用を支える除雪オペレーターの高齢化・ワンマン運行に対応した運行支援や、事前パトロールによる障害物位置の把握など、積雪寒冷地特有の総合的な安全対策が実務上の必須要件となっている。

現場での扱い方

  • 吹雪・夜間作業における被視認性向上と追突防止装備の徹底確認

    深夜・早朝や吹雪下の除雪作業では、後続車や対向車からの被視認性を確保するため、黄色回転灯の点灯、後部標識装置(『除雪中』表示)、熱線入りテールランプの着雪状況を日常点検する。低速走行に伴う一般車両の追突衝撃を緩和する追突緩衝装置の正常性を確認し、車間距離の確保を徹底する。

  • 雪中埋設物(縁石・マンホール等)の事前把握と路肩転落防止対策

    降雪前に道路付属物(縁石、消火栓、マンホール、防護柵等)の位置を現地調査し、スノーポール等で目印を設置する。除雪グレーダやドーザの運行時は、雪堤下に隠れた路肩段差や開渠側溝への脱輪・転落を防ぐため、運行経路図を遵守し、危険箇所では助手や監視員による誘導・確認を徹底する。

  • ロータリ除雪車等のオーガガード装着と巻き込み事故防止の合図管理

    ロータリ除雪車や小形除雪車の雪かきこみ部(オーガ)への巻き込みを防ぐため、オーガガードの取付状態を常時確認する。雪詰まり等の除去時には必ずエンジンを停止させてキーを携行し、複数名で作業を行う際は一定の呼応・合図を徹底して、作業範囲内への他作業員や歩行者の接近を遮断する。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(安全管理、労働安全衛生法・安衛則)において、車両系建設機械の安全規則(運行経路の策定、立入禁止区域、合図・誘導者の配置、転倒防止)が頻出する。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 144社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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