Tsukuras
コンクリート工

型枠支保工

かたわくしほこう

型枠支保工とは

型枠支保工とは、コンクリート構造物の打設時に、打ち込まれた生コンクリートの側圧や自重、作業荷重などをコンクリートが所定の強度を発現して自立できるようになるまで支持するために仮設される支柱、はり、つなぎ、筋かい等の構造物の総称のこと。建築・土木工事のいずれにおいても、コンクリート打設中の倒壊・変形事故を防止し、構造物の設計形状・寸法精度を確保するために極めて重要な仮設工である。支柱の構造材料としては、鋼管(単管)、パイプサポート、鋼管枠、組立て鋼柱、H形鋼、木材などが用いられる。労働安全衛生法および労働安全衛生規則に基づき、型枠支保工の組立てにあたってはあらかじめ部材配置や接合方法を示した組立図の作成が義務付けられており、支柱の高さが3.5m以上のものについては「型枠支保工の組立て等作業主任者」を選任して直接指揮させることが義務付けられている。

全国の基準

労働安全衛生規則第240条により、型枠支保工を組み立てる際は支柱・はり・つなぎ・筋かい等の配置や接合方法を示した組立図を作成し、これに従わなければならない。同条第3項に基づき、設計荷重は支える物の重量(死荷重)に型枠1㎡につき150kg以上の作業荷重を加えた荷重とし、上端に作用させる水平方向荷重として、支柱が鋼管枠の場合は設計荷重の2.5%、鋼管枠以外の場合は設計荷重の5%を考慮して安全な構造としなければならない。同規則第242条に基づき、パイプサポートを支柱とする場合は3以上継いで用いてはならず、継ぐときは4以上のボルト又は専用金具を用いて緊結し、高さが3.5mを超えるときは高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けて変位を防止しなければならない。パイプサポート以外の鋼管支柱でも高さ2mを超える場合は高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける。また労働安全衛生法施行令第6条第14号に基づき、支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工の組立て・解体作業では、技能講習を修了した作業主任者の選任と直接指揮が義務付けられている。

教科書どおりにいかないところ

教科書や検定試験では「組立図を作成し、規定の作業荷重や水平荷重、水平つなぎの間隔を守れば安全」と教わるが、北海道の現場では「凍結地盤の春先融解による脚部不等沈下」と「冬期養生上屋に伴う積雪・偏風圧荷重」という、計算式に現れない寒冷地特有の破壊要因が存在する。冬期に凍結した地盤の上に敷板・敷角を置いて支保工を設置した場合、厳冬期は強固に支持されているように見えるが、春先の気温上昇やコンクリート給熱養生に伴い地盤の凍土が融解・泥濘化し、支持力を急激に失ってジャッキベースが不同沈下する。支柱が一部でも沈下すれば荷重が隣接支柱に集中し、打設中や養生中の構造物崩壊という壊滅的な事故を招く。さらに北海道の冬期施工では採暖設備や強風・降雪を遮断する大型の養生上屋(シート仮囲い)を設けるため、吹きだまりによる偏荷重や防雪シートにかかる強大な風圧荷重が支保工骨組みに直接伝達される。教科書通りの鉛直荷重計算だけに頼らず、凍結地盤への置換えや砕石地業、融解期を見越した沈下監視、上屋と支保工の構造分離など、積雪寒冷地の気象と地盤変化を先回りした管理が不可欠となる。

現場での扱い方

  • 凍結地盤上の支保工基礎処理と融解沈下の日常点検

    冬期の北海道で支保工を組み立てる際は、表層の凍結土や積雪・氷を完全に除去し、良質土や砕石による地盤置換えと十分な転圧を行う。支柱脚部には幅広の敷板・敷角を密着配置して接地圧を低減させる。コンクリート打設中および養生期間中は、給熱養生の熱や春先の昇温による地盤融解でジャッキベースの浮きや不等沈下が生じていないか水準測量や下がり標で常時監視し、変位を発見した際は直ちに作業を中断して増し締めや補強を行う。

  • 防雪・保温養生上屋の荷重分離と暴風雪時の風圧荷重対策

    寒中施工における採暖・防雪のための仮囲いシートや養生上屋は、突風や地吹雪によって強大な水平力および偏積雪荷重を受ける。これらの荷重が型枠支保工本体に直接作用して倒壊を招かないよう、上屋の骨組みと型枠支保工は原則として構造的に分離して自立させる。やむを得ず一体化する場合は、風圧荷重および積雪荷重を設計荷重に割り増し計上し、筋かいや控えワイヤーを増設して安全率を確保する。

  • 低温環境下における現場同条件養生供試体による脱型強度の確認

    積雪寒冷地では外気温が低くコンクリートの硬化・強度発現が大幅に遅延するため、標準養生の供試体強度だけで脱型や支保工解体の時期を判断してはならない。必ず構造物と同じ温度環境に置いた現場同条件養生供試体による圧縮強度試験を行い、所定の強度(設計基準強度や仕様書で定められた脱型強度)に到達していることを客観的に確認した上で、型枠支保工の解体に着手する。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(安全管理・コンクリート工)において、型枠支保工の組立図作成要件、設計荷重(死荷重+150kg/㎡以上)、水平方向荷重(鋼管枠2.5%、その他5%)、パイプサポートの継手制限(3本以上禁止、4本以上ボルト緊結、3.5m超での水平つなぎ)、作業主任者の選任基準(高さ3.5m以上)が頻出問題として出題される。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 195社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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