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道路・舗装

植生工・法面緑化

しょくせいこう・のりめんりょくか

植生工・法面緑化とは

植生工・法面緑化(Vegetation Works and Slope Revegetation)とは、切土・盛土によって生じた道路や河川、宅地等の人工法面に対し、草本や木本などの植物を導入・被覆することで、雨水や融雪水による法面表土の浸食・洗掘を防止し、斜面の表層安定と周辺景観・生態系の保全を図る土木工種のこと。施工方法には、種子・肥料・水を吹き付ける種子散布工、土壌改良材や養分を配合した泥状材料を吹き付ける客土吹付工、厚い土壌基盤を造成する植生基材吹付工のほか、法面に芝を直接敷設する張芝工・筋芝工、種子や肥料が装着された植生マット工・植生シート工などがある。土質条件(硬度・酸性度・保水性)、法面勾配、気象条件に応じた適切な工法選定と播種配合の設計が求められ、構造物による法枠工などと併用されることも多い。

全国の基準

国土交通省の土木工事共通仕様書(案)第3編第2章第14節「法面工(共通)」3-2-14-2(植生工)において、種子散布は厚さ1㎝未満に散布し、客土吹付は厚さ1~3㎝、植生基材吹付工は厚さ3~10㎝に吹き付けるものと施工厚さが規定されている。また張芝では脱落防止のため1㎡あたり20~30本の芝串で固定し、筋芝の間隔は30㎝を標準と定めている。さらに堤防等の法肩崩れを防ぐため法肩沿いに幅10~15㎝程度の耳芝を設けることとされている。施工管理においては、種子散布着手前の法面土壌硬度試験及びpH試験の実施、乾燥期の施工回避と散水養生の継続が義務付けられており、工事完成引渡しまでに発芽不良または枯死が生じた場合は受注者の負担において再度施工しなければならないと定められている。

教科書どおりにいかないところ

教科書や施工管理技術検定では「法面勾配と土壌硬度・酸性度に応じて種子散布や客土吹付等を選定し、所定の吹付厚さや芝串本数を遵守して速やかに被覆を完了させればよい」と教わる。しかし、積雪寒冷地である北海道では、冬期の地盤凍結(凍結深さの増大)と積雪、春季の融雪水という過酷な気象サイクルが直撃する。冬期の凍結融解の繰り返しや霜柱現象によって吹付基材や植生マットが法面から浮き上がり、春の融雪期に雪解け水とともに一気に剥離・滑落する表層崩壊事故が頻発する。さらに北海道では厳冬期の施工が完全に不可能なうえ、秋季の遅まきでは発芽しても越冬できず凍死するため、播種・吹付けが可能な施工適期が春と初秋の極めて限られた期間に制約される。また、従来多用されてきた外来牧草は急速被覆できる反面、凍上や痩悪地での越冬衰退、周辺自然生態系への逸出が深刻な課題となってきた。寒地土木研究所では重点普及技術として「すき取り物および表土ブロック移植による盛土のり面の緑化工」(NETIS登録番号: HK-210001-A)を開発し、北海道開発局道路設計要領に反映させている。現場発生の表土ブロックを移植して植物の根系ネットワークを生かすことで、融雪浸食を防ぎ無追肥での早期生態系復元を可能にする寒冷地独自の実務が不可欠となっている。

現場での扱い方

  • 施工適期の厳格な管理と秋季播種限界の遵守

    北海道における植生工は、厳冬期の降積雪と地盤凍結により施工期間が厳しく制限される。春季の融雪完了後から初夏の乾燥期前、秋季の初霜前が適期となる。晩秋に播種や吹付けを行うと、幼植物が十分な耐寒性・根系を発達させることができず冬期の凍害や霜柱で枯死するため、工程管理において播種限界時期を厳格に死守する。

  • 凍結融解と融雪水浸食を防ぐ基盤密着・排水処理

    積雪寒冷地の法面では、冬期の凍結融解作用によって基材が浮き上がり、春の融雪出水で表層が一気に洗掘・流亡するリスクが高い。張芝工やマット工では地山との間に間隙を残さないよう土羽板で入念に密着させ、目土をすり込んで確実に定着させる。また、小段排水溝や天端排水溝を早期に整備し、融雪水が法面を越流して筋状浸食(ガリ侵食)を誘発することを徹底防止する。

  • 表土ブロック移植技術等を活用した自立型緑化の推進

    外来牧草の単一種子散布に過度に依存すると、凍上被害や経年的な衰退、周辺自然環境への影響が生じやすい。寒地土木研究所が普及を進める表土ブロック移植技術のように、工事区域内の掘削前にすき取った自生植物を含む表土を法面に再配置・移植することで、土壌中の根系や微生物のネットワークを活かした耐融雪性の高い自立的斜面被覆を早期に形成させる。

資格試験での出題

2級土木施工管理技士施工管理技術検定の第一次検定(土工・法面保護工、施工管理法)において、種子散布・客土吹付・植生基材吹付の施工厚さ、張芝の目土・芝串固定、筋芝の間隔、施工時期の選定(乾燥期・凍結期の回避)が頻出する。

参考(一次情報)

関連する工種で、資格取得を支援する道内の会社 148社

出所:北海道入札参加資格者名簿の加点項目「技術者の育成」。会社の自己申告ではありません。

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