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北海道の建設業の平均年収は477万円で、道内の全産業平均422万円を55万円上回ります(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2023年・男女計・企業規模10人以上)。「建設業は稼げないのでは」という印象とは逆の結果です。ただし年代・職種によって差は大きく、60〜64歳では全産業を132万円上回る一方、電気工事のように全国平均を下回る職種もあります。この記事では公的統計の実数と、Tsukurasが持つ北海道11,991社のデータを突き合わせて整理します。
北海道の建設業の年収はいくらか?
2023年の北海道・建設業の平均は年収477万円(所定内給与額×12+年間賞与)。同じ北海道の全産業平均は422万円なので、建設業のほうが55万円高い水準です。推計対象は131,300人で、標本としても十分な規模があります。
過去4年の推移は次のとおりです。
| 調査年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道・建設業 | 425万円 | 437万円 | 418万円 | 477万円 |
2022年に一度下がったあと、2023年に59万円上昇しています。北海道は公共工事の比率が高く、道路・橋梁・農業インフラの維持更新という景気に左右されにくい需要を抱えていることが、水準を下支えしていると考えられます。
この記事の「年収」が何を指すか
ここでの年収は「所定内給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。所定内給与額には残業代が含まれません。繁忙期の残業が多い現場では、実際の支給額はこの数字を上回ることがあります。逆に求人票の「年収例」は残業代込みの最大値が示されることもあるため、同じ土俵で比べるときは注意してください。
年代別に見るとどこで差がつくのか?
差が最も大きいのは60〜64歳で、建設業532万円に対し全産業401万円と131万円の開きがあります。ピークは50〜54歳の593万円。若年層でも建設業が上回っており、20代前半の時点ですでに42万円の差があります。
| 年齢階級 | 建設業 | 全産業 | 差 |
|---|---|---|---|
| ~19歳 | 239万円 | 238万円 | +2万円 |
| 20〜24歳 | 340万円 | 298万円 | +42万円 |
| 25〜29歳 | 386万円 | 355万円 | +31万円 |
| 30〜34歳 | 413万円 | 374万円 | +38万円 |
| 35〜39歳 | 456万円 | 413万円 | +43万円 |
| 40〜44歳 | 479万円 | 444万円 | +35万円 |
| 45〜49歳 | 514万円 | 483万円 | +30万円 |
| 50〜54歳 | 593万円 | 506万円 | +88万円 |
| 55〜59歳 | 537万円 | 474万円 | +63万円 |
| 60〜64歳 | 532万円 | 401万円 | +132万円 |
| 65〜69歳 | 412万円 | 347万円 | +65万円 |
注目したいのは60代以降です。ピークの50〜54歳から60〜64歳にかけて、全産業は506万円から401万円へ105万円(約21%)下がるのに対し、建設業は593万円から532万円へ61万円(約10%)の下落にとどまります。資格と現場経験がそのまま評価される仕事のため、定年後の再雇用でも待遇を維持しやすい構造があります。長く働くことを前提に職を選ぶなら、この差は見逃せません。
職種によって年収はどれだけ違うのか?
同じ建設業でも職種間で242万円の開きがあります。北海道で最も高いのは建築技術者の609万円、最も低いのは土木従事者の367万円です。注目すべきは、北海道が全国を上回る職種と下回る職種がはっきり分かれる点です。
| 職種 | 北海道 | 全国 | 差 |
|---|---|---|---|
| 建築技術者 | 609万円 | 575万円 | +34万円 |
| 土木技術者 | 549万円 | 561万円 | −12万円 |
| 建設・さく井機械運転従事者 | 509万円 | 432万円 | +77万円 |
| 測量技術者 | 469万円 | 466万円 | +3万円 |
| 配管従事者 | 441万円 | 475万円 | −34万円 |
| 大工 | 429万円 | 423万円 | +6万円 |
| 電気工事従事者 | 408万円 | 494万円 | −86万円 |
| 建設躯体工事従事者 | 402万円 | 420万円 | −18万円 |
| 土木従事者・鉄道線路工事従事者 | 367万円 | 383万円 | −16万円 |
北海道が全国を大きく上回るのは建設・さく井機械運転従事者(+77万円)です。除雪・農業土木・砂利採取など、重機オペレーターの需要が通年で発生する北海道特有の事情が反映されていると考えられます。逆に電気工事従事者は全国を86万円下回っており、この分野は道外のほうが高い水準です(仕事内容は北海道の電気工事の転職で解説しています)。表の最下段にある土木作業員の仕事は367万円と職種別では低い位置ですが、推計21,260人と道内で最も人数が多く、未経験から入りやすい職種でもあります。
つまり「建設業の年収」とひとくくりにせず、目指す職種ごとに全国との位置関係を確認することが重要です。なお職種間の差を埋める最短の手段は資格で、施工管理技士などの取得により技術者側の水準に近づきます(北海道の建設業で取るべき資格)。
新卒の初任給はどのくらいか?
北海道・建設業の新卒初任給は高校卒16.6万円、大学卒22.5万円、高専・短大卒24.1万円(月額・所定内給与額)。高専・短大卒は全国の建設業23.3万円、北海道の全産業20.5万円のいずれも上回っています。
| 学歴 | 北海道・建設業 | 全国・建設業 | 北海道・全産業 |
|---|---|---|---|
| 高校 | 16.6万円 | 19.6万円 | 17.4万円 |
| 専門学校 | 非公表 | 22.4万円 | 20.7万円 |
| 高専・短大 | 24.1万円 | 23.3万円 | 20.5万円 |
| 大学 | 22.5万円 | 24.1万円 | 23.9万円 |
なお学歴を区別しない「学歴計」で比べると北海道の建設業は17.4万円となり、全産業21.7万円を大きく下回って見えます。ただしこれは建設業の新卒に高校卒の比率が高いことによる見かけ上の差で、同じ学歴どうしで比較すると差は1万円前後に収まります。学歴計の数字だけを取り出して「建設業は初任給が低い」と読むのは誤りです。
年収の数字だけでは分からないこと
ここまでの数字は職種と年代の相場であって、個別の会社の待遇ではありません。同じ職種でも、発注者から技術力を評価されている会社かどうかで条件は変わります。Tsukurasは北海道の建設会社11,991社を公的データで整理しており、年収表には出てこない判断材料を確認できます。
北海道の入札参加資格者名簿に登録が確認できるのは5,688社。このうち最上位のA級資格を持つのは1,361社(約24%)で、大規模工事を継続的に受注できる技術力と経営規模を公的に評価された会社です。所管振興局別では石狩1,331社・上川511社・渡島451社・十勝443社と、地域ごとの厚みが分かります。実際の会社は主要都市から確認できます——札幌市・旭川市・函館市・帯広市。
冬の仕事の有無が気になる場合は、入札審査の加点項目が手がかりになります。「通年雇用」の加点実績は1,073件(全加点エントリ11,691件中9.2%)。冬季も雇用を継続する体制を道が確認した実績で、求人票の文言ではなく第三者の審査に基づく点が強みです。同様に「技術者の育成」2,422件、「担い手の確保(満35歳未満)」2,398件といった項目もあり、若手を採用・育成する姿勢を数字で確認できます。
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※賃金データの出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年/令和5年)。年齢階級別は統計表 0003426933、職種別は 0003445758、新規学卒者は 0003445959。いずれも一般労働者・男女計・企業規模計(10人以上)。原典は政府統計の総合窓口(e-Stat)で確認できます。確認日:2026年8月12日。 ※年収は「所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出(残業代を含まない)。 ※企業データの出典:国税庁 法人番号公表サイト、北海道 入札参加資格者名簿。掲載企業は順次更新中です。